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zoom RSS 『乳房』 池波正太郎

<<   作成日時 : 2004/12/18 22:16   >>

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 これも、池波正太郎の女性シリーズの一つと言えるでしょう(おっと、『雲ながれゆく』のちょうど一年後に出版されているぞ)。
 主人公のお松は、左頬に刀傷があり、同棲相手だった勘蔵に、「不作の生大根をかじっているみたいな」つまらない女、と罵倒され、いわば容貌をはじめ女性の武器(謎)はすべて否定されていると思っており、しかも、その勘蔵を衝動的に殺してしまったことで、社会的にも大変なハンディを背負ったところからスタートするわけです。そこからお松がどのような生活を送って行くかがこの物語の大きな流れの一つになってます。有体に言うと、サクセスストーリーなんですが(ネタバレ?)
 いやしかし、「不作の生大根」ってどんなんじゃい?と思ったのは、私だけ?(^_^;)

 もう一つ、これは『鬼平犯科帳』番外編でもあります。盗賊・密偵による捕り物もありますが、この物語の語り手が「鬼の平蔵」になっていると言って良いと思います。『鬼平』に登場するよりもちょっと若い日の平蔵さんや、佐嶋さん、密偵の岩五郎の姿を見ることができます。。

 なお、この話の原型というのか生大根ネタの短編に、『三河屋お長』(『おせん』新潮文庫収録)というのがあります。ヒロインの生まれ育ちなど比べてみると面白いでしょう。お松の「頬の傷」が長編に加えられたスパイスですね(^_^) (No.27)

(1984.11 文藝春秋/1987.1 文春文庫) 

足袋問屋・加賀屋の女中のお松は、加賀屋の娘・お千代の供をして出かけた折、自分を捨てて姿をくらませた男・勘蔵を見かけ、後をつけます。勘蔵の家に来たとき、お松は衝動的に勘蔵を殺してしまいます。
 お松はその場を逃げ出しますが、倒れて男に犯されそうになったお松を助けたのは、小間物屋の長次郎でした。長次郎は、裏では女を客に斡旋する商売も行っていました。

 お松は、長次郎が取り持った相手の倉ヶ野の徳兵衛と、京へ行くことになります。お松が再び長次郎のところへ現れたのは、五年後のことでした・・。

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『乳房』/池波正太郎
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
初めまして〜〜〜。
私も「乳房」好きです。
不作の生大根とは、きっときっと色が汚い・見た目が醜くて
出荷できないほど辛い大根なのでは???
池波正太郎の本って、ほんと、食べたくなるほど
食べ物の描写が素晴らしいし、読んでてホッとしますよね〜〜
慧ちゃん
2004/12/21 12:25
突然思い出しました。言われてみれば、私、不作の生大根とおぼしきものの実物を見たことがありました。あまり太ってなくて、中に黒い線があったりして、味もいまいち。。。
そっか、そのようなイメージだったのですね。いやありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします〜
やこめっち@管理人
2004/12/21 23:25

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