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zoom RSS 『秘太刀馬の骨』 藤沢周平

<<   作成日時 : 2004/12/22 08:48   >>

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 矢野道場に伝わる秘太刀「馬の骨」の遣い手は誰なのかを、小出家老の甥・石橋銀次郎と一緒に探ることを命じられた浅沼半十郎が、次第に藩の派閥の抗争に巻き込まれ・・という長編です。

 え〜、いちおう長編に分類してみますが、これを「長編」と言ってしまうと、異論・反論がとってもありそうですね(汗)まあ、『用心棒日月抄』やら『よろずや平四郎活人剣』よりは、横糸が弱いと感じられた、ニそのくらいです。
 言うまでもなく、矢野道場の高弟たちとの試合、もしくはその段取りのエピソードは『隠し剣シリーズ』や、『たそがれ清兵衛』の短編を連想させます。長坂権平のエピソードは、そのまんま『たそがれ清兵衛』系ですね。

 もう一つ、半十郎には長男を死なせてから気鬱の病にかかった妻がいて、夫婦の間はどうなるのか、というのも重要な縦糸になっています。
(アホコメントをお許しいただければ、娘の名前が「直江」というのには、何か意味があるのだろうか・・汗)

 さて誰が「馬の骨」を伝授されたのか、もしくは、藩主お抱え暗殺者が誰か、ということは、ミステリー的にはそうですね、、、一瞬だけ反則かも?と思うほどのミスディレクションだったと言っておきましょう(謎)

 この物語の登場人物では、なぜ(銀次郎は)わしのところに来ないのだ、と言う、北爪平九郎が好きだったりします。変人に魅力を感じるのかな・・(^_^;)    (No.26)

2005/10/01 追記:

この作品は、NHKの金曜時代劇でドラマ化されました。
石橋銀次郎(内野聖陽)が主役となり、配役は、浅沼が段田安則、杉江が南果歩、小出家老・近藤正臣、道場主以下、小市慢太郎、六平直政、本田博太郎、尾美としのり、音尾琢真、高橋和也でした。演出方法にいろいろ意見もあったでしょうが、脚本がしっかりと原作の行間を埋めていたこと、そして木刀での迫力ある殺陣を堪能しました。素人目ですが、銀次郎と北爪平九郎(高橋和也)の対戦が素晴らしかったです。そして、本を読み直し、「遣い手問題」について考える絶好の機会となりました。

2005/10/10 追記2:

ふと思ったのですが、この本を読んで、どのような解釈をするか、またどのように感じるかと言うことは、特に正解はないと思います。
最後のシーンで感動するのも良いですね。しかしそれ(だけ)が正しい読み方ではないはずです。このシーンは蛇足ではないかと思っても良いでしょうし、出久根氏の解説は訳わかんないと思っても別段おかしくはないでしょう。むしろ、健全な感覚ではないでしょうか(笑)

一読して、○○が遣い手だなんて納得できないとか、対戦順はストーリーの都合上だろとか、銀次郎は途中で江戸に帰って良いのかとか、権平の旧禄は戻ったのかとか、赤松を無力化したのは小車じゃないのかとか、浅沼たちが沈黙を守ったとしても御番頭はあらましを察せられるだろうな云々、突っ込みを入れて構わないはずです。そのようなことができる作品だからこそ、議論も盛り上がるし、ドラマ化のし甲斐もあり、そしてブログを書いたりできると言うわけです(^o^)

(1992.12 文藝春秋/1995.11 文春文庫) 

秘太刀馬の骨 書評

関連記事  「馬の骨」の遣い手
      続・「馬の骨vの遣い手

家老の小出帯刀に呼び出された浅沼半十郎は、家老の甥の石橋銀次郎を助け、望月家老の暗殺に使われたらしい秘太刀「馬の骨」の遣い手を探すように命じられました。「馬の骨」は矢野道場に伝わると言われています。
 銀次郎は、まず道場主の矢野藤蔵、それから藤蔵の父の仁八郎の高弟たち、沖山茂兵衛、内藤半右衛門、長坂権平、飯塚孫之丞、北爪平九郎を次々訪問し、試合を挑みます。

 秘太刀探しをしているうち、藩内の派閥の抗争は激化していきます。また、長男をなくして以来、気鬱の病にかかった半十郎の妻・杉江の様子にも変化が・・。

 時代小説ワールド


秘太刀馬の骨 (文春文庫)

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コメント(9件)

内 容 ニックネーム/日時
僕が時代小説で唯一読むのが藤沢修平さんの武家モノ。
その中で一ニを争うほど好きなのが、この小説。
秘剣馬の骨の使い手がわかったとき、「あ〜そうか」と主人公同様見事虚をつかれたのを覚えています。
読んだのがずいぶん前で細かい内容を忘れちゃったから今度改めて読み直そうと思います。
ダジャレ王。
2004/12/22 11:59
コメントありがとうございます。
「馬の骨」の使い手は、、、解説を読んで、ひとしきり悩んだ覚えがあります。
これからもどうぞよろしく。
やこめっち@管理人
2004/12/23 00:35
ありゃ〜藤沢周平さんの名前間違っちゃった。大好きなのに(苦笑)。
訂正だけですみませんが、よろしくお願いします。
ダジャレ王。
2004/12/24 03:05
「馬の骨」の遣い手について、素晴らしい解釈を今日見つけましたので、興味のある方は↑の「書評」さんの記事のリンクをたどって見て下さい。
やこめっち@管理人
2004/12/24 23:22
はじめまして。トラックバックありがとうございます。
楽天以外の方に初めてトラックバックしてもらったので、
びっくりしました。

「馬の骨」は読めば読むほど味が出る作品ですよね。
自分もまさかあの解釈には驚かされました。

今後も立ち寄らせていただきます。
よろしくお願いします。

tarkish
2004/12/29 11:38
わざわざありがとうございます。
ご存知かも知れませんが、遣い手等の問題について、
http://www.real-unet.ocn.ne.jp/ta-san/fjsw/suuhen06.html
http://www.real-unet.ocn.ne.jp/ta-san/fjsw/suuhen07.html
に詳しく載っていました。いろいろな説があるのですね。
やこめっち@管理人
2004/12/29 23:24
ドラマを見て感心した書き換えがあったので、忘れないうちに書いておきます。
第5話で銀次郎と北爪が立ち会った後、橋の上で橋の上で銀次郎・浅沼・北爪が論語を暗唱する子供達を見送っているところです。
原作と違って銀次郎が居合わせること、そして北爪の性格付けに原作とは多少の変更があったと思ってますが、それを踏まえた上で。

この場面で、浅沼の段田さんは、原作では描写されていない死児の齢を数える表情をしたのではないか、と思います。その時、北爪が嫂のことを語りますが、その最後の部分、原作では「ほかに、わしに出来ることはない」、高橋さんの台詞は、「わしには、ほかに出来ることがない」でした。北爪の心情を表すのに絶妙な言い換えだと唸りました。
やこめっち@管理人
2005/10/03 10:50
トラックバックありがとうございました!
ドラマ、面白くできてましたよね。最終回はちょっと引き伸ばしすぎちゃった感がありましたけれども(私は、原作ラストのアレンジで、杉江さんが多喜母子を守って小太刀の腕を振るうシーンがあればいいなあと思っていたもので……残念!)。
「犯人」の解釈にはうならされました。ただやはり、ミステリ好きとしては体格の問題は看過できないところです(笑)。原作者が匂わせている「犯人」の言動も、秀逸なミスリーディングなので捨て難いですしね。
青空百景
2005/10/04 12:54
返信ついでにというと失礼かもしれませんが、ドラマと原作について思いついたことがあったのでメモさせて下さい。
原作に、北爪平九郎が独身であるとはっきり記述されていたでしょうか?されてないと思うのですが、見落としているかもしれません。(でもドラマで言う「30半ば独身」と思って読んでも違和感がない)

青空百景さま(失礼いたしました)、
わざわざありがとうございます(^_^)

>原作ラストのアレンジで、杉江さんが多喜母子を守って小太刀の腕を振るうシーン

これ、確かに予告編ではありましたね。なのに、本編でカットになっていたことに気が付いた人も多かったようですね。こういう点については、苦情メール送っても良いかも知れない(^_^;)

それでは今後ともよろしくお願いいたします。
やこめっち@管理人
2005/10/04 23:05

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