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zoom RSS 『楽園』 宮部みゆき

<<   作成日時 : 2010/02/18 12:02   >>

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模倣犯』以降、あの事件から立ち直れないでいた前畑滋子が、事故で亡くなった子どもに特殊な能力があったという母親の話を聞くことになる。。


12歳で亡くなった萩谷敏子の一人息子・等には絵が得意で生前いろいろな絵を描いていたが、その中に、彼の技量からするとまるで退行したような絵が描かれたノートがあった。
 その中には、彼が亡くなった後に発覚した事件を表わしているものもあった。滋子は半信半疑ながら調査を始めるが、彼のノートには『模倣犯』の事件を表わしているものもあり、次第に等の能力を確信する。

そして、きっかけとなった事件、夫婦が娘を手にかけて16年間隠していた事件の被害者の妹・土井崎誠子から、本当のことを知りたいと調査を頼まれる。
ところどころに挿入される「断章」で、事件は今も続いていることが示される。


家族にどうしようもないものがいた場合、他の家族はどうすれば良いのかという重いテーマが扱われている。切り捨てるのか、かばうのか。金川・三和兄妹、土井崎夫妻、そして、祖母に人生を蹂躙されてきたかのような萩谷敏子の場合。この本のタイトルが何故「楽園」なのかと思いながら読み進めてきたが、彼らを含めてみな、たとえひとときでも己の楽園を見出すのだ、ということが終章で語られる。

この物語の陰の主人公ともいえる萩谷敏子は、最初のうちはどちらかと言えば愚かな、何も知らない女性のようにも見えるが、次第に存在感が増して行く。そしてただの「癒し系」ではなかったことが、クライマックスの三和尚子とのやりとり(そして直前の「均」にかけた言葉)で明らかになる。
ラストでの敏子への「プレゼント」、敏子のこれからにささやかな幸福が訪れそうな予感で物語りは締めくくられる。


等が『模倣犯』の事件についてもノートに描いていたが、それについての事情が説明されていないのは秋津との会話にあるように、あくまでも「脇道」ということなのであろう。それとも今後、また別の小説で語られることがあるのだろうか。




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