『本所深川ふしぎ草紙』  宮部みゆき

 本所の七不思議にまつわる事件を描いた短編集です。
 全編を通じ、脇役として事件の謎解きをする回向院の茂七は、『初ものがたり』で主役となって事件の解決に奔走することになります。この二冊、混同しそうになることもあります(汗)
 『初ものがたり』で何気なく触れられている、下っ引きの文吉やら、茂七に姪がいることなど、『本所深川ふしぎ草紙』を読み返してンて、ははあなるほど、と思ったりしました。
 もちろん、このような「七不思議」ネタは、二度と(?)使えないでしょうから、趣向を変えることになるでしょうね・・(^_^;)

 言うまでもなく、N○K金曜時代劇の「茂七の事件簿」の原作(の一つ)です。『初ものがたり』の項でも書きましたが、茂七は高橋英樹が演じてます。 (No.15)

(1991.4 新人物往来社/1995.9 新潮文庫)

「第一話 片葉の芦」
 近江屋藤兵衛が殺されました。殺したのは娘のお美津では、との噂に彦次は驚きます。彦次は幼い頃、お美津に食べ物をもらったことがありました・・。

「第二話 送り提灯」
 お嬢さんの恋をかなえるため、毎晩一つずつ回向院の境内の小石を拾うことになった十二歳のおりんは、提灯がつかず離れずあとについて来るのに気が付きました。

「第三話 置いてけ堀」
 おしずは、棒振り魚屋の庄太を亡くし、鬱々とした日々を送っていました。ある日おしずは、「置いてけ堀」は岸涯小僧の仕業らしい、そして岸涯小僧は浮かばれない漁師や魚屋の生まれ変わりと聞きます。おしずは息子の角太郎を抱いて、置いてけ堀こと錦糸堀へ行ってみました。
 一瞬、憑き物落とし?などと妙な連想を・・(滝汗)

「第四話 落ち話の椎」
 殺しの現場にたくさんの椎の木の葉が落ちていました。落ち葉がなければ良かったと言った、茂七の言葉がきっかけとなって、小原屋の奉公人・お袖が必死に掃除を始めました。

「第五話 馬鹿囃子」
 おとしは、許婚の宗吉の様子がおかしいことを伯父の茂七に相談しようと家を訪ねます。そこには、お吉という娘がいて、自分は誰と誰を殺した、と茂七に話していました。その頃、若い娘ばかり顔を切られる事件が起きていました。

「第六話 足洗い屋敷」
 おみよの父・大野屋長兵衛は、お静という美しい女と再婚します。おみやは義母が大好きでしたが、ある夜おみよは、お静の悲鳴で飛び起きます。お静は昔、貧しかったときの夢を見たのだと言います。

「第七話 消えずの行灯」
 おゆうは、小平次という男から、足袋屋の市毛屋の娘・お鈴の替玉になる話を聞かされます。お鈴は永代橋が落ちたときから行方知れずになっており、正気を失った内儀のお松を慰めるため、主人の喜兵衛が替玉を探しているのでした。

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この記事へのコメント

福田浩司賞味大臣
2008年09月21日 21:27
読みました江戸時代の人は自分の運命と戦っていて素敵です。でもそれは現代人の目でみて情緒があるからで当時の人は目の前のことに必死でしょう。片葉の芦の藤兵衛は最初見栄とはいえ飯捨てるのもったいない気がしましたが恵むと助けるは確かに違うし厳しい教育者って感じ。奉公って今はそういう時代で無いけどこじつければ派遣会社より専門職の下請け会社がそれに当たるのかな。貧しいのが運命ならそこから自立するのは奉公制度が必要だったとか。小説だから多少悲劇的に書いてあると思うけど。あと足洗い屋敷も悲しかった。美しい悪女の虐げられた境遇とか松本清張ならえんえんと描きそう。宮部作品の時代物読んでいるとえらく新鮮な魅力があるきがします。

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