『銭とり橋 高瀬川女船歌3』 澤田ふじ子

高瀬川女船歌』 シリーズ第3弾。この巻は、托鉢僧の普照にまつわる話。

「短夜の笛」
 隠岐島へ流罪となっていたお蕗が、京へ戻ってきました。角倉会所で働くようになったお蕗は、時折誰にも行き先を告げずに姿を消します。頭取の吉右衛門に命じられ、平太が後をつけると、お蕗は木賃宿に住む托鉢僧・普照と会い、二人は瑞泉寺の山門の中に消えて行きました。
 普照が安曇川に橋を架けるために托鉢していることが語られます。

「やぶからし」
 日頃は温和な泉屋太郎左衛門が、笊を買いに来た下働きの老婆にぞんざいな口を聞いた手代の正助をどなりつけています。常軌を逸した叱責ぶりに、宗因は太郎左衛門を尾張屋に連れて行きます。宗因は、太郎左衛門の身の上を聞き、児玉吉右衛門に話します。

「密かの藪」
 尾張屋の客の下駄の歯入れ屋・九兵衛は、もとは掏摸でした。ある日宗因は、普照の住む庚申堂から町奉行所の同心が出てきたのを見ます。その同心・竹田平蔵は、内々に掏摸を探していて、人相書は九兵衛そのものでした。

「扇塚」
 庚申堂を出て伏見に向かった普照は、溝に落ちた重い荷物を積んだ大八車の引き上げを頼まれます。四人がかりでようやく引き上げると、普照らは盗賊の疑いで捕らえられてしまいました。

「八坂の剣」
 普照に悩みごとの相談に広瀬村の清七が、再び普照に会おうとしたまま姿を消します。清七は、息子の太吉を取り戻そうとし、公事で敗れていました。太吉は、実は清七の子でなく、大黒屋の跡取り息子の卯太郎が、広瀬村から奉公に来たお登世に産ませた子で、清七とお登世が所帯を持って育てていましたが、卯太郎が急死した後、父親の卯左衛門が太吉を大黒屋に連れて行ったのでした。

「銭とり橋」
 普照は、三人組の男と老婆との喧嘩を仲裁し、男たちを庚申堂へ伴います。男たちは勧進橋の話を聞くと、普照が托鉢して集めた十両あまりの金を奪って逃げました・・。
 重兵衛の素性がここで効いてくる訳でしょうか。  

(2003.4 幻冬舎/2004.8 幻冬舎文庫)

時代小説ワールド


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  • ★「高瀬川女船歌」 シリーズ (澤田ふじ子)

    Excerpt:  初めて読んだ澤田ふじ子ものが、この『高瀬川女船歌』でした。(「公事宿」ではなく・余計かな)  タイトルから分かるとおり、高瀬川沿いに暮らす人々の哀歓の連作です。 Weblog: 気ままな読書日記@WebryBlog racked: 2005-02-02 23:03