『用心棒』 多岐川恭

うわっ、久々に読み返して感想をアップしようと思ったら、いきなり徳間文庫で新たに出ていたではないですか(^_^;)

 主人公は泥助、簀巻きにされてどぼん、というところを危うく助けられたので、そのように名乗ります。この泥助、時代劇のヒーローらしからぬ(アンチヒーローってやつ?)性質で、用心棒をしているものの剣は全くダメ、女はたとえ五十の乞食(?)でも抱くおとこ妾、しかしか弱い女も見殺しにもする、実は侍ではなく旅役者らしい・・。

 さて、そんな泥助の女遍歴で進む物語ですが、浪人者の娘・ふみの大望という縦糸があります。旗本だった父は策略にはめられ、切腹していたのでした。その言わば復讐譚もしくはお家最高の望みがどうなるか、そして話が進むにつれて、泥助の身の上も明らかになります。
 ターニングポイントは、御前さま(すなわち権力のある後ろ盾)との出会いでしょうか。
(もっとも、多少設定にぶれがあるような気もしないではありませんが(^_^;))
  重要な登場人物のお絹も意外な過去があることが分かってきます。最後の顛末は、痛快ではあります。

 月並みですが、登場人物では大津屋が魅力的かと思います。あとは御前さま(笑) (No.55)

(1978.11 新潮社/1988.9 新潮文庫/2005.3 徳間文庫)

娘を買ってきた孫次郎とお絹は、簀巻きにされて川へ投げ込まれた男を拾います。男は泥助と名乗り、孫次郎のいる安房屋で用心棒をすることになります。用心棒と言っても、泥助にできるのは、おとこ妾でした。泥助は、駒込の植木屋の新造・お澄の相手をすることになります。

 その後泥助は、浪人の娘・ふみをお絹の筏屋で働かそうという、孫次郎の話を聞きます。孫次郎はふみを大津屋加左衛門に取り持とうといます。安房屋の主人・藤兵衛が達磨の政五郎の後ろ盾で、孫次郎を邪魔に思い出したため、孫次郎とお絹は大津屋を取り込もうとしていました。 


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