『浮かれ黄蝶 御宿かわせみ』  平岩弓枝

シリーズ第34弾(になるはず)。「捨てられた娘」自立を目指す花世ちゃん、頑張れ! 最後の「公孫樹の黄ばむ頃」はちょっとミステリ風(って捕物帳か、もともと)


「浮かれ黄蝶」
 麻太郎は、麻生家へ英語を習いに行った時に一人の娘と知り合います。ある日、麻生家からの帰りに麻太郎は、その娘・鶴賀喜久大夫の娘・のお蝶が男の子に風呂敷包みを奪われたのを見かけます。麻太郎が風呂敷包みを取り返し、お蝶を家まで送って行くと、花世が後ろに立っていました。

「捨てられた娘」
 花世の友人の喜久江は、旗本・小林の娘でしたが、小林家には奇妙な言い伝えがあり、未年生まれの女は災厄を呼ぶと言われていました。喜久江と亡くなった母は未年生まれでした。小林家では後妻の生んだ甲太郎が行方不明になり、甲府勤番を命じられた当主も、行方が分からなくなります。

「清水屋の人々」
 茶の湯の師匠の楓月のところから戻ったるいは、同じく弟子で体調を崩した清水屋の若内儀・おきよを連れ帰り、休ませます。清水屋の姑・おもとも楓月の弟子でしたが、嫁・姑の仲は険悪でした。

「猫と小判」
 仙五郎が東吾に、菓子屋の「花庵」の主人・仙右衛門の母親がぼけて、家族が手を焼いていると言う話をしていきます。源三郎が狸穴で、猫が小判の入った布袋を引きずってきたという話をします。その袋を拾った老婆・お杉が何者かに殺されました。
「かわせみ」の女中だったお石に子供ができます。おとせ・正吉親子も登場。  

「わいわい天王の事件」
 利倉屋の船の船乗り・新助が東吾を訪ねて来ます。新助は、利倉屋の娘聟に望まれているようです。その頃、芝浦で猿田彦の面をかぶった男の死体が発見されました。20年位前までさかんだったわいわい天王の祭りで使われたものではないか、とみなは考えます。

「二人伊三郎」
 あまり見かけない男が町内をうろついているという話が広まります。その男・伊三郎は、五歳のときに子さらいに獅子に売られ、今は水夫になっているが、自分の生まれたところを探そうとしていると言います。

「さんさ時雨」
 深川に出かけた東吾は、州崎弁財天の境内で合掌している女に気が付きます。前に源三郎が話していた女かも知れないと考えていると、男がその女の後を着けて行きました。男は、一の鳥居の先で待っていた若い男と話し始めます。若い男は、乾物問屋・松島屋の倅の長太郎で、町内の鼻つまみでした。

「公孫樹の黄ばむ頃」
 るいは祖母の故郷の市川の八幡へ仏事のために出かけます。母が歿ってまもなく祖母の実家の千本家に預けられたことがありましたが、それ以来のことでした。るいは記憶にありませんでしたが、千本家はるいが滞在した翌年に一家四人が次々歿り、絶えていました。

(2006.4 文藝春秋)

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この記事へのコメント

tarkish
2006年06月19日 18:56
お久しぶりです。
かわせみの文庫本を買いに行かなくてはと思ってしまいました。

自分のページに宇江佐ファンの方がいらっしゃったので、やこめっちさんのページを紹介しましたが、よろしかったでしょうか?

最近藤沢ばかりだったので、久々の平岩を楽しみたいと思います。

やこめっち@管理人
2006年06月19日 22:00
このところ妙に雑用が多くて更新ペースがゆっくりになってしまいました。
「かわせみ」は明治編になるという話を聞き、どうなっていくのか楽しみです。

>自分のページに宇江佐ファンの方がいらっしゃ>ったので、やこめっちさんのページを紹介しま>したが、よろしかったでしょうか?

はい、恐縮です(^_^)

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  • ★「御宿かわせみ」シリーズ 平岩弓枝

    Excerpt: 北海道のあるところのとある旅館が、「かわせみ」という名前でした(^_^;)  確かに、川のそばにありましたけど(笑) Weblog: 気ままな読書日記 racked: 2010-01-25 16:39