『蝉しぐれ』  藤沢周平

 初めて読んだのは、もう10年かそこれ前のことですが、素直に感動しました(笑)
 国営放送ドラマ化記念で読み返して見ましたが、落ち着いて読むと、巧妙に複線が張り巡らされているのに気が付きます。

 物語の軸になるのは、まず、文四郎とおふくの淡い縁、逸平や与之助との友情ということになるでしょうが、その他に藩(おなじみ海坂藩)の派閥の抗争、それに文四郎が剣の技で関わって行きます。
 文四郎の父の助命嘆願の話、秘剣村雨の伝授と意外な人物、これらの一見何でもないようなエピソードがうまく効いて来ます。
 何故か与之助も情報を拾ってくるのですね(笑)藤沢作品に毎度おなじみ(?)の色気美女タイプ(??)の女性(矢田未亡人)も登場します。

 個人的には、作者の全盛期ははずれた作品だとは思うのですが、ファンが多い理由はわかるような気がします。でも、これがだけが藤沢周平ではない、といってみたい気も(^_^;)

 ドラマでは、文四郎が内野聖陽、おふくが水野真紀、文四郎の父は勝野洋、犬飼兵馬が荒井紀人でした。
 好みはいろいろあるかも知れませんが、これで文句をいうと平岩ファンが怒るかな、という出来かと思います(謎)
(あの枠、藤沢作品はまあ良いが、平岩弓枝は・・(自粛))

そう言えば、宝塚でも上演されたことがあったように記憶しています。 (No.10)

(1988.5 文藝春秋/1991.7 文春文庫) 

牧文四郎は、小和田逸平や島崎与之助とともに、剣や勉学に励む毎日を過ごしていましたが、父(養父)の助左衛門が藩の派閥の対立に巻き込まれ、切腹させられます。人々の冷たい視線の中、剣に邁進し、旧録に復す沙汰が出ます。
 一方、文四郎が淡い感情を抱いていたおふくは、江戸で藩主のお手つきとなります。おふくの子をめぐって、文四郎も派閥の対立と無縁ではいられなくなります。

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